サンゴを守りたい
〜和歌山県
南部町沖〜
■ 2002/07/24
放送
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和歌山県
南部町(みなべちょう)沖。昔は、このあたりにはいたるところでサンゴがあった。ところが、この姿がどんどんと失われつつある。そこで、若者達が美しいサンゴの海を取り戻そうと、ある取り組みを始めた。
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鹿島(和歌山・南部町)
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和歌山県 南部町の沖合いに浮かぶ「鹿島(かしま)」。
テーブルサンゴ
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水深5メートルに群生するテーブルサンゴ。サンゴが育む栄養分を求めて、魚たちが集まってくる。ダイビングポイントとして人気がある。
死滅したサンゴ
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しかし今、そのサンゴに異変が起きている。ここ数年、死滅したサンゴが目立つようになってきたのだ。
地元のダイバーは「小さい頃に素潜りした時のあまりにも綺麗な印象があったが、ダイビングポイントがオープンして潜ってみると『なんじゃ、こりゃ!』っと、壊滅にちかいサンゴを見て驚いた」と話す。
サンゴ再生作戦に参加した学生
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このサンゴの死滅は、地球温暖化による水温の上昇や生活廃水の流入などが原因と考えられ、人間の生活が影響しているのは間違いなさそうだ。
そこで、人間が破壊したサンゴは人間の手で復活させようと、海の環境について学ぶ大阪の専門学校生たちがやって来た。
「人間が壊したのだから…」
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「きれいなサンゴに魚がいっぱいの海になって欲しい」「元に戻すのは難しいと思うが、人間が壊したのだから、なんとか治してあげたい」と学生たちは張り切る。
サンゴのかけらを採取
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彼らのサンゴ再生作戦は、いたってシンプル。まず、鹿島から数キロ離れた海底でサンゴのかけらを採取する。これらのサンゴは先日の台風の影響で砕けてしまったものだが、完全に死んではいない。根を張る場所さえ与えてやれば、また生き返る可能性が高いのだ。
サンゴを貼りつける
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再生作戦は、このサンゴを抱えて鹿島の海に潜り、接着剤で岩に固定するだけ。あとは、サンゴがサンゴ自身の力で根付くのを待つばかり。いわば、“サンゴの移植”だ。
「ちゃんとくっつけよ!」
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作戦を終えた学生たちは「うまくいった。『飛んでいかないように、ちゃんとくっつけよ!』って…」「育てよ!頑張ってな!」とサンゴにエールを送る。
さっそくサンゴに魚が…
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サンゴの移植が成功するかどうかは、最低1年は様子を見なければ分からない。でも…さっそく移植したサンゴに魚たちが集まってきた。なんだか上手くいきそうな気がしてきた。
( 2002/07/24 O.A )